はこねあしのこ なるかわびじゅつかん【成川美術館】
元箱根の大きな赤い鳥居の脇に入口があるのが、現代日本画を中心に展示をする「成川美術館」。
「現代日本画、特に戦後の日本画のすばらしさを広く知っていただきたい」という理念の元に、1988年に開館しました。
コレクションの中心になるのは文化勲章受章画家・山本丘人の代表作150点。そこに、平山郁夫など誰もが知る現代日本画作家の作品など、4000点以上の収蔵品から、展覧会のテーマごとに展示されています。
さらに、無名であっても将来有望な画家などの作品も多く収蔵。独特の作品たちを楽しむことができます。
最近の美術館は、一部に「写真撮影可能エリア」を作っていることが多いのですが、なんとこの美術館、現在のところ「館内、すべての作品の撮影が可能」なのだとか! もちろん作品に悪影響のあるフラッシュの点灯は厳禁ですし、他の人の迷惑にもならないように配慮することも必要ですが、個人としてなら撮影やSNSへのアップもOKなのだとか。
それも「作品に親しんでもらいたい」という願いがあってこそ。
ただ、マナー違反が増えると変わってしまう可能性もあるようなので、ぜひ節度をもって鑑賞を。
芦ノ湖の絶景が楽しめるカフェでは作家の器でお茶を
成川美術館の魅力のひとつは、展望ルームやカフェから望む芦ノ湖の風景。
写真はちょっと天気が悪いのですが、「この景色、どこかで見たことがある……?」という人もいるかもしれません。
実はカフェの横にはひとつのカメラが設置されています。これはNHKのお天気カメラ。お天気情報などの番組の際にこのカメラからの景色が登場しているのです。撮影した日はあいにくの天気でしたが、湖に箱根神社の鳥居が浮かび、遊覧船が行き交う風景を眺めながらのんびりとくつろぐには抜群の環境。
さらに晴れた日には、湖の先に富士山が見えるというまさに絶景スポットです。
展望ルームの横にあるティーラウンジ「季節風」では、ケーキセットやホットサンドセットなどが提供され、風景を楽しみながらのんびりとお茶や軽食を楽しめます。
このカフェの隠れた人気が、作家の器で味わうメニュー。
小田原の老舗職人が作る季節の和菓子と薄茶のセットは、新進気鋭の陶芸家・三上亮の茶器で。また、バニラ、抹茶、小倉の3種から選べる「ソフトアイス」やコールドドリンクは、ガラス工芸家・石井康治の器で楽しめます。
美術館という場所がら、賑やかな元箱根の中でも喧噪を離れて静かに過ごすことができるとっておきの場所です。
(2019年12月現在の情報です)
住所 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570番
電話 0460-83-6828
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 無休
入館料 大人1,300円
アクセス 箱根湯本駅から箱根登山バスまたは伊豆箱根バス「元箱根港」行きで約40分、終点下車徒歩3分。箱根本箱から車で約25分
公式サイト http://www.narukawamuseum.co.jp