はたじゅく よせぎかいかん【畑宿寄木会館】
箱根の飲食店など、どこに行っても見かけるのが、寄木細工です。色の違う木を組み合わせて、木目をいかしながら貼り合わせた細工ものは、江戸時代後期に、畑宿の人である石川仁兵衛が考案したといいます。箱根山の木を切り出し、色の違う木を組み合わせてみて乱寄木と呼ばれる柄を作ったことから始まり、200年以上の間に、パターンとして120種ほどが作られてきました。
独特の製法である木工芸品として、昭和59年に国の伝統的工芸品として指定されていますが、その技術を保存し展示するために作られた施設が町営の「畑宿寄木会館」です。
館内には寄木がどのように作られるのかの制作工程をわかりやすく展示し、実演もしています。
元々の寄木細工は、寄せた木を特殊なカンナで削り、これを箱に貼った「貼り寄木」でしたが、当初、木を寄せるのに使われていたのが膠(にかわ)。戦後になって強力な接着剤ができたことで、寄せた木を厚いまま使う「無垢寄木」が生まれ、さらにバリエーションが増えたのだそう。この無垢寄木は実は箱根駅伝のトロフィーにも使われているのです。お正月にテレビ放映されている箱根駅伝で、ゴール後の表彰まで見ている人は少ないかもしれませんが、ぜひチェックしてみてください。本物と同時に作られたトロフィーが、畑宿寄木会館に展示されています。
また、販売コーナーでは箸置きやコースター、アクセサリー、メガネケースなどの直売もあるので、お土産にもぜひ。
気軽に寄木のコースター作りができます
ここでは寄木でオリジナルのコースターなどを作ることもできます。コースター作りのキット(指導料込み800円)には、6個×3種の色のパーツが入っているので、自分の好きなように組み合わせて、貼り合わせれば出来上がり。
といっても、初めてではどう組み合わせたらいいのか、なかなかわからないですが、伝統柄の見本もあるので安心。組み合わせのデザインを考える工程が一番時間がかかるところですが、それさえ決めればあとは接着剤で貼るだけなので、10分もあれば完成します。
ただ、貼り合わせたばかりの寄木は壊れやすいので、持ち帰ってしっかりと乾燥させてください。「きれいなまま使いたい」という人はホームセンターなどでニスを買って塗るのもいいそうです。
キットを2つ、3つ組み合わせて、大きな鍋敷きなどを作ることも可能。体験はあいていればその場で申込みもできます。
住所 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿103
電話 0460-85-8170
開館時間 9:00~16:30(入館は〜16:00)
休館日 無休(年末年始のみ休)
入館料 無料(体験は800円〜)
アクセス 箱根湯本から箱根登山バス「畑宿・元箱根港」行きで約20分、「畑宿」下車、徒歩3分。箱根本箱から車で約30分
公式サイト http://www.hatajyuku.net/home/guide.htm#寄木会館